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「築古物件+リノベーション」という住宅購入の新しいスタイルを提案しているリノべる。
現在、同社はスマートフォン専用アプリ「Connectly App」というプラットフォームをベースに、さまざまなサービスを提供して、同社ならではのスマートハウス事業を推進している。大きなきっかけとなったのが、ソフトバンクの「SoftBank Innovation Program」である。このプログラムに応募し、ソフトバンクとの協業関係を構築。試行錯誤を経て、構想を軌道に乗せた。

「SoftBank Innovation Program」とは
革新的なソリューションや技術を持つ企業とソフトバンクのリソースを組み合わせて、新たなビジネスの創出を目指す取り組み。
2015年7月に1回目が開催され、2017年の冬で3回目を迎える。
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木村 大介氏
リノベる株式会社
リノベーション事業本部 事業推進室
マネージャ
工藤 景司
ソフトバンク株式会社
新規事業開発室

ソフトバンクの信用力がリノべるのスマートハウス事業を躍進させた

リノべるの中核事業である「リノベる。」とは、どんな事業でしょうか。
木村:日本では、一般に住宅購入というとまず新築を考えがちですが、「リノべる。」は「築古物件+リノベーション」という住宅購入の新しいスタイルを提案しています。壁を塗り直したり、照明やエアコンを最新のものに変えたりして、中古物件を新築の状態に近づけるのがリフォーム。一方、リノベーションはというと、壁をぶち抜いてリビングを広げたり、キッチンの仕様だけでなく場所も変えたりして、中古物件をまったく新しく生まれ変わらせます。ですから、リノベーションはお客さまのライフスタイルに合った住まいをオーダーメイドで作り上げることができます。しかも、新築に比べて購入価格を抑えられるため、その分を他の「豊かな暮らし」のために充てることが可能です。中古物件は資産としての価値も安定しており、ライフスタイルが変わった時にも比較的、売却しやすい。私たちは、物件探しから設計、施工、ローンのご相談までワンストップで対応し、より自由で、よりお客さまらしい住宅選びをサポートしています。
第1回の「SoftBank Innovation Program」に応募し、ソフトバンクと共同で「Connectly App」というスマートホームのプラットフォームを開発したそうですね。まずは応募したきっかけを教えてください。
木村:住宅は完成したら終わりと考えられがちです。しかし、そうではなくライフステージに応じて変化していくべき。それを可能にするのがITやソフトウェアの力だと考えています。スマートフォンを想像してみてください。端末は「入れ物」「箱」のようなもので、ユーザは、自分のライフスタイルや好みに応じてさまざまなアプリをインストールしてカスタマイズしています。住宅でも、同じようなことを実現したいと考えたのがきっかけです。
ソフトバンクは、どのような点に魅力を感じたのですか。
工藤:「SoftBank Innovation Program」は、チャレンジに対して資金を提供するだけといった、いわゆるベンチャー支援のようなプログラムではありません。あくまでも、応募企業とソフトバンクがパートナーとして協業し、互いの強みを持ち寄って新しいビジネスを創造していくための取り組みです。ですから、“応募書類で優劣をつけて審査する”のではなく、何度も話し合って“協業の可能性を検討していく”というプロセスを経て、事業化を目指します。ソフトバンクには、ネットワークインフラやモバイルをはじめIT関連ビジネスのノウハウはありますが、住宅は完全に門外漢。その点、リノべるは、住宅に関するノウハウと豊富な実績を持っており、すでに多数のお客さまがいることから実証実験への協力が得られる環境も整っている。そこにパートナーとしての魅力を感じました。
まず、どんな取り組みから開始したのでしょうか。
木村:ソフトバンクと一緒にスマートフォンやタブレット端末からテレビやエアコン、カメラ、照明などを操作できるアプリを開発して、リノべるのお客さまに使ってもらいました。ただ、結果から言うとこれは失敗でした。物珍しさもあって最初は使ってもらえたのですが、しばらくすると使わなくなるのです。聞いてみると「エアコンをつけるのは、家に帰ってからでも十分」とのこと。ならばペットがいる家庭では?と思って試してみると、今度は「そもそも、ペットがいるからエアコンはつけっぱなし」、「カメラで自宅を見てみたが、ほとんどペットはカメラの前にはいない」と言うのです。言われてみれば当たり前ですよね。

工藤:でも、これらは実験してみないとなかなか気づけないことばかりです。ですから、失敗ではなく、リアルな生活者を対象にした実証実験の大きな成果が得られたと評価しました。アイデアの段階では便利だと思い込んでいたサービスが実は評価が低い……。それが明らかになったことで、次のステップに進むことができたのです。
現在は、どのようなサービスを提供しているのでしょうか。
木村:ユカイ工学社のコミュニケーションロボット「BOCCO(ボッコ)」をデバイスに使ったサービスがあります。外出する時刻などを設定しておくと、その日の天気などを自発的にしゃべって教えてくれます。また、寺田倉庫社と業務提携して、箱単位で気軽に専用倉庫がもてるクラウドストレージサービス「MINIKURA」も取り入れています。それ以外には、フィリップス社のスマートLED照明「Hue」を使った調色、調光を簡単に行える照明システムを提供しています。いずれも先の失敗と発見を経てたどり着いた、毎日の暮らしにすっとなじむサービスです。現在は、スマートフォンからインターフォンへの応答、玄関のカギの開閉が可能なロックシステムの開発も検討しています。スマホ向けアプリ「Connectly App」から利用でき、製品ごとに複数の管理アプリを持つ必要がありません。
実際の開発や実験は、どのような役割分担で行ったのですか。
木村:現場での開発会社とのやり取り、実験への協力が得られるお客さまとの窓口はリノべるが担当しましたが、事業マップを描いたり、開発成果物、実験結果の評価を行ったり、多くのプロセスをソフトバンクと共同で行ったという印象です。

工藤:ソフトバンクではデバイスをはじめ、実証実験で利用するモノやサービスを調達するための資金支援はもちろん行いますが、先に述べたとおり「SoftBank Innovation Program」は、単なるベンチャー支援ではありませんから、アイデアを練ったり、取り組みを評価したり、あらゆる面で協業します。

木村:協業の中で特にありがたかったのが信用面ですね。例えば、先に紹介したユカイ工学社や寺田倉庫社などに、リノべるが単独でビジネスを持ちかけるのは、なかなかハードルが高い。しかし、ソフトバンクと一緒に取り組んでいる事業の一環だと言えば、信用力が違う。すぐに話を聞いてくれますから、クリアしなければならないハードルの数、スピードが全然違います。
それぞれ、今後のビジョンをお聞かせください。
木村:当社のミッションの1つである「日本の暮らしを、世界で一番、かしこく素敵に。」を達成するために、ソフトバンクをはじめ、いろんな企業と連携し、お客さまの声に耳を傾けながら新しいサービスを開発していく予定です。またITは世界共通のインフラですから、将来的には海外展開することも考えています。

工藤:リノベると一緒にスマートハウスを成熟させるのはもちろん、先駆者として培った資産を生かしたライセンスビジネスなどが行えるのではないかと考えています。「Connectly App」をスマートハウスにおける業界標準のプラットフォームに育てていきたいですね。
「SoftBank Innovation Program」はこの冬に3回目の応募を迎えるそうですね。応募を検討している企業にメッセージをお願いします。
木村:リノべるにとってはメリットしかありませんでした。今後、ソフトバンクを通じて、多くの企業と連携できるきっかけとなればいいですね。

工藤:応募企業にはソフトバンクをうまく使っていただきたいし、私たちもソフトバンクに新しい可能性をもたらすことができるパートナーシップを構築したいと考えています。もし、あたためている事業プランがあれば、ぜひお聞かせください!
新たなビジネスの創出を目指す「SoftBank Innovation Program」によって誕生したスマートハウスのビジネス。家庭内のさまざまな設備が、当たり前のようにネットワークにつながる。いゆわる「スマートハウス」構想において、不動産事業者と、ネットワークをはじめとするITサービスを持つ事業者は、間違いなく主要プレーヤーになる。そう考えれば「リノベる」と「ソフトバンク」の協業は親和性が高い。すでに成果に結びついているのは納得である。一方で「デジタル革新」というキーワードが示すように、さまざまな領域でITによるイノベーションが起き、市場に新しい変化と価値をもたらしていることを考えれば、このような親和性を持つ組み合わせは、まだまだたくさんあるはずだ。「SoftBank Innovation Program」で次に誕生するのはどんな新しいビジネスなのか、非常に興味深い。
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