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日本発のIoT(Internet of Things)クラウドファンディングである+Styleでは、どのような製品が成功し売れたのか。そこから見える人気の傾向や、これから+Styleで販売していきたい製品、販売戦略などをソフトバンクの秋田 光生に話を聞いた。

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日本発のIoTクラウドファンディング、+Styleから未来を探る
秋田 光生(あきた みつお)
通信機器メーカー勤務時にアメリカに赴任しており、帰国後はソフトバンクグループに所属。再度アメリカに再赴任したが、この二度にわたるシリコンバレー赴任時代に培った経験をもとに新規事業としてクラウドファンディングとIoTを結び付けた+Styleを立ち上げた。

成功した製品が持つ魅力と売れる傾向から考える+Styleらしさ

- クラウドファンディングが成立した製品の中で印象的なものは?
秋田 :2つありますね。1つは「Beam(ビーム)」という製品です。見た目は電球の形状をしたLEDライトなのですが、商品の中にAndroidが組み込まれており、スマホの操作でライトを点けたり消したりできるほか、iPhoneやWindows PCの画面を映し出すプロジェクターにもなります。「Beam」に出会ったときに「これはイケる!」と思ったのですが、値段が約5万円と高めでクラウドファンディングが成立するか心配でした。しかし、「Beam」は+Styleに掲載を開始してから約7時間程度で、販売可能となる目標金額の50万円に到達。最終的には目標の250%以上注文されましたが、達成スピードの速さに驚かされましたね。
- もう1つの製品を教えてください。
秋田 :「Omni Bluetooth® Card(オムニ ブルートゥース カード)」という製品です。例えばこのカードを財布に入れておけば、スマホと一定距離以上離れた場合にアラート通知をしてくれます。逆にスマホがどこかなというのもアラームで教えてくれる。財布やスマホをうっかり忘れて外出したり、部屋の中で見つからないときなどに便利ですよね。また、このカードは最大8枚まで登録でき、財布用、かばん用など複数を使い分けてスマホで管理ができるのも特徴です。実はこうした技術を搭載した製品は昔からあったのですが、充電式で厚みがあるため財布には入りませんでした。そこで、薄さを優先して使い切り型にしたところ人気が出て、こちらも+Styleに掲載を開始してすぐに目標を達成しました。
- 製品はどのように集めてきたのですか?
秋田 :色んなケースがありますね。ソフトバンクではスマホケースやイヤホンなど、スマートデバイスのアクセサリーは取り扱っていますが、IoT機器となるとあまり扱っていません。そこで、既存のルートとは違う切り口でアクションを起こす必要がありました。例えば、ほかの企業に勤める私の友人に連絡して「面白い製品知らない?」など聞いたり、製品の展示会に行って声を掛けていましたが、立ち上げ期では特に友人から話が膨らむケースが多かったです。IoTというキーワードで、まだ展開していない製品という条件で聞いて回りましたね。
- 出資者はどういう人が多いのですか?
秋田 :特に日本は欧米のクラウドファンディングのように、製品アイデアを形にするための出資や寄付、サポートを募るのではなく、すでに完成された製品を予約買いするお客さまで成り立っています。そのため、製品を見て「これ欲しい、買いたい!」と思ってもらえないと成立しません。その点、「Beam」や「Omni Bluetooth® Card」は革新的な技術を使っているわけではないのですが、製品のコンセプトや使い方がパッと分かるので、買いたいお客さまが多かったのだと分析しています。
- ほかにコンセプトの打ち出し方が上手だった製品はありますか?
秋田 :台湾Tomofun社のドッグカメラ「Furbo(ファーボ)」ですね。日中は仕事に出掛けないといけない飼い主がスマートフォンで家にいる犬の様子を確認でき、おやつも与えられる製品です。機能的にはWebカメラで代用することも可能ですが、「Furbo」は犬を監視するのではなく、家族の一員としてコミュニケーションすることをコンセプトにしています。スマホと連携し犬と双方向で会話したり、残業で夜遅くなった場合でもナイトモードで見ることができます。インテリアにもなりえるデザインや、おやつが空気圧で出るアイデアもWebカメラにはありませんよね。また、「Furbo」は+Styleでの成功によってメディアにも多く取り上げられ、日本支社からお礼の手紙をいただいたほか、伊勢丹 新宿店でも販売されました。今後は日本で約1千万頭飼われていると言われている、ペット関連製品の広がりも期待したいですね。
- 意見を聞いて改良する、「プランニング」で成功した例はありますか?
秋田 :エアコンで有名なダイキン工業が作っている「Airitomo(エアリトモ)」です。見た目はチューブなのですがセンサーを内蔵しており、体が触れていると、心拍・呼吸・体動情報を知ることができます。ソファーに取り付けて人が座ることで、心拍数やストレスを計測し、ある程度の健康状態が分かる製品です。この技術もすでに15年ほど前から確立されていたのですが、なかなかヒットしませんでした。しかし、+Styleの「プランニング」で新しい使い方を問い掛けたところ、ある企業が使いたいと手を挙げて成立しました。
- クラウドファンディングで成功する傾向のようなものはありますか?
秋田 :良いアイデアの製品であってもそれをメーカーが押し付けるのではなく「私だったらこう使う」など、お客さまが使い方をイメージできるものに人気が集まるような気がします。お客さま主導のほうがSNSでも拡散しやすいし、それを目にした企業からコラボレーションしたいという声もあがります。「Omni Bluetooth® Card」もある雑誌社に記事のレビューを頼んだら、「自分たちの雑誌のロゴを入れて読者プレゼントにしたい」というお話をいただきました。+Styleは製品を市場に問い掛ける形をとっているからこそ、お客さまや企業が自分たちの考える方向に製品を引っ張ってくれて、結果として人気の製品が生まれるのかもしれません。
- どのような製品を提案し、+Styleらしさを出していきたいですか?
秋田 :ソフトバンクには「ペット保険」という事業もあるのですが、例えば「Furbo」のようなハードウェアと一緒に広げていくとか、「ソフトバンクでんき」の中でも再生可能エネルギーで発電された電気を供給するプランを、エコな製品と一緒におすすめするなど、製品以外の付加価値で差別化を図っていきたいと考えています。また、TVアニメ「GATCHAMAN CROWDS」に登場するクルマ「GALAX-ZZ」を受注生産で販売していますが、今後はクルマのローンを取り扱ったり、スマホですべてを操作できる近未来の家を提案するなど、高額な製品やトータルでライフスタイルを提案する取り組みにも挑戦してみたいですね。そしてもうひとつ大きな目標としては、製品の販売チャネルの新規開拓を重要なミッションと捉えています。ソフトバンクの販路はソフトバンクやワイモバイルのショップ、家電量販店などが中心です。一方、世の中にはデパートやコンビニエンスストアなどもありますが、ソフトバンクとの結び付きは強くないので、「Furbo」で生まれた伊勢丹 新宿店との繋がりのように、新しい販売チャネルを広げるきっかけを作りたいと思っています。
+Styleでは完成した製品を予約買いするお客さまが多く、最新技術を駆使した製品よりも、コンセプトや使い方が分かりやすい製品に人気が集まるという。また、お客さまが使い方をイメージしてSNSに拡散したり、それを見た企業から声が掛かるなど拡散の仕方にも時代の変化が見て取れるようだ。一方でお客さまや企業から意見を聞くプランニングでも成功例が出ており、製品の使い方を市場に問い掛けることで買い手が用途を考え、結果として製品が売れるのではないかと分析している。今後はハードウェアに付加価値をセットして提案したり、高額の製品やライフスタイルをトータルで提案することも視野に入れているほか、デパートやコンビニエンスストアなど販売チャネルを広げたいという想いが語られた。

(取材日 2016.08.18)
 
+Style
https://plusstyle.jp/
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