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2日間に渡り「SoftBank World 2016」で講演を行ったエヴァンジェリスト中山 五輪男。講演で紹介した事例の裏話、そして自社の挑戦についてなど、講演では語りきれなかったエピソードを聞いた。

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【一流の仕事術】エヴァンジェリスト中山五輪男の仕事観
「魅力ある情報を探し、人を惹きつける!」エヴァンジェリストの「SoftBank World 2016」講演秘話(前編)
中山 五輪男(なかやま いわお)
1964年5月 長野県伊那市生まれ。法政大学工学部電気電子工学科卒業。複数の外資系企業を経て2001年ソフトバンクのグループ企業に入社。現在はエヴァンジェリストとして幅広く活動。iPhone 関連の書籍の執筆活動や複数のTV番組出演での iPhone 訴求など、エヴァンジェリストとしての活動をしつつ、国内20以上の大学での特別講師も務めている。

「SoftBank World 2016」で取り上げた事例と自社の挑戦

- マイクロストラテジーの事例はどのようなきっかけで知ったのですか?
中山 :以前、IBMのOBが集まる会でIBM Watsonの講演をしたことがあります。その場にマイクロストラテジーの社長がいらっしゃり、後日「面白い話があるから会ってくれないか?」と連絡をいただいたのがきっかけです。彼らのサービスである「Usher(アッシャー)」という、ID認証のセキュリティプラットフォームとPepper for Biz を連携してみたいとのことだったので、ディスカッションに参加しました。「Usher」はセキュリティバッジを発行する スマートフォン向けのアプリで、例えば経営者だけが経営に関するデータにアクセスできるなど、組織階層に応じてアクセス許容範囲を定義するサービスです。アメリカではすでに導入されていて、Usherアプリを持っていなければ会社の自動ドアすら開かないなど、企業のセキュリティ向上に貢献するソリューションです。その技術にはBeacon(ビーコン)が利用されているのですが、Beaconを使ったUsherアプリとPepperを連携させたら、面白い接客ができるのではないかという話でした。
- マイクロストラテジーの事例に関する裏話を教えてください。
中山 :「SoftBank World 2016」での講演内容は、お客さまの商品購入履歴などの情報を保持できるように改良したUsherアプリをPepperが認識し、個人に特化した提案をする、という「未来の接客」の話です。「将来こんなことができるのではないか?」と考え作っていたプロモーション映像を講演中に流したのですが、半年後に本当にその映像内容を実現するツールができていたのは驚きでしたね。
- ナビタイムジャパンの事例は、どのようにして誕生したのですか?
中山 :ナビタイムジャパンから依頼をいただいて講演をしたのがきっかけです。Pepper for Bizの話をしたのですが、聴講していた取締役の方がその場で、「私たちの乗り換え案内のサービスとPepperを連携したソリューションを作ります」と約束されました。それが本当に実現し、しかもタイミング良く「SoftBank World 2016」の前にできあがったのです。内容は運行情報や乗換案内をPepperが教えてくれるサービスです。乗換案内はスマートフォンで調べることが多いと思いますが、必ずしも駅を利用する全員が使いこなしているわけではありません。そこに価値を見出したアイデアです。これから駅やホテルなどの施設で活用される可能性がありますね。
- 今後発展していきそうなエピソードがあれば教えてください。
中山 :先ほどの話に加えて、「IBM Watson 日本語版と絡めて欲しい」とお願いしたことですね。早速、快諾いただき、社内でアイデアを練っているそうです。例えば、世の中のさまざまな交通情報をインターネットから取得し、IBM Watson 日本語版に分析させて最適なルートやお店の案内など、その人の趣味・嗜好を反映した案内も可能だと思います。どんなかたちのサービスになるか、今から楽しみですね。
- グッドツリーの事例はどのようにして探したのですか?
中山 :まず、幅広い業界での事例を紹介したかったということがあります。例えば、コジマプレス工業は製造業、プロトコーポレーションは自動車販売、そしてグッドツリーは介護サービスです。Pepperが活躍している介護業界の中で、「SoftBank World 2016」で紹介できる事例を知りたいとFacebookへ投稿したところ、返信いただいた企業がグッドツリーでした。
- 事例紹介において良かった点と今後さらに広がりそうなお話はありますか?
中山 :グッドツリーはPepperのアプリケーションを開発しているロボアプリパートナーです。介護専用のアプリ「ケア樹 Free」をインストールしたPepper for Biz は介護施設に導入されており、会話系は強いという実績があるため、この事例を取り上げました。実際におじいちゃん、おばあちゃんたちとPepperがコミュニケーションしている様子や、介護施設の方々からの「最初は不安だったけど、導入してみたら非常に良かった」という現場の生の声も、動画で紹介しました。またグッドツリーにも、IBM Watson 日本語版との連携を提案しました。現在は、介護職員のアシスタントの役割を視野に入れて、人工知能と「ケア樹 Free」とを連携させた開発構想を練っているそうです。
- 静岡県藤枝市の事例についても教えてください。
中山 :ソフトバンクと藤枝市がロボットのプログラミングに力を入れていくことで連携協定を6月に締結したので、タイミング的にもちょうど良いと思いご紹介しました。内容は教育サービス企業である「Life is Tech」と藤枝市、そしてソフトバンクが三位一体となり、中学校でロボットプログラミングを教育に取り入れるプロジェクトです。
- 自治体がロボットのプログラミングを授業に取り入れ注力することについて、どのようにお考えですか?
中山 :自治体、特に教育現場においてプログラミング授業に注目が集まる中で、単純に子供たち全員にPCを与えて覚えさせるのではなく、Pepperと接しながらプログラムを知るというのが流行になりそうだなと感じています。子供たちはPepperと遊ぶことでロボットに興味を持ちます。「Pepperと遊んで楽しかった。クイズが面白かった」など、色んな「楽しい」「面白い」がどんどん膨らんでいくんですよね。次に「Pepperと遊ぶアプリを君たちが作れるんだよ」という話をすると子供たち自らが「作りたい!」となって、小学生でも自分たちでアイデアを出して一生懸命アプリを作る。藤枝市の挑戦もまさにそういうこと。子供たちは人を楽しませるロボットを作りたいという明確な目的を持ってプログラミングしているので、意味のある授業だと思います。
- ソフトバンクの事例についても教えてください。
中山 :ソフトバンクは昔から物を売るときに「自分たちで使ってから、その良さをお客さまに伝える」という考え方を持っています。そこで、全社員がIBM Watson 日本語版を使えるように、ソフトバンクグループ約2万人の社員をサポートする人工知能システムを作りました。 iPhone や iPad のときも「使いまくろう」というテーマのもと全社員に配られましたし、IBM Watson 日本語版も同じコンセプトです。システムの名前は「SoftBank Brain(ソフトバンクブレーン)」と言って、コンタクトセンターバージョンや社員サポートセンターバージョン、法人営業バージョンなど各部門に合ったバージョンを用意しています。
- 講演後の反響はいかがでしたか?また、IBM Watson 日本語版をどのようなかたちで広めたいとお考えですか?
中山 :私が講演で iPhone を使いデモをしたのは、社員サポートセンターバージョンと法人営業バージョンです。内容は iPhone に搭載された「SoftBank Brain(ソフトバンクブレーン)」へ話しかけると、企業への提案をアドバイスしてくれるというもので、企業規模や売上向上、業務効率化、コスト削減といった提案の種類を答えると、提案の切り口や付随する資料を差し出してくれます。また、特定の企業分析をお願いするとグラフが出てきて、企業の状況がすぐに分かるうえに、IBM Watson 日本語版が対象企業にお勧めできる自社サービスを提示してくれます。既に法人営業バージョンは社内でリリースされており、特に新人の営業担当者には良いツールなのではと思います。ソフトバンクは数千ものサービスを持っているので、どのお客さまに何を提案したら良いかパッと出てこない。そんなとき「SoftBank Brain(ソフトバンクブレーン)」に聞くと資料を探して分析し筋道を立てたうえでお勧めのサービスを提案してくれます。エヴァンジェリストとして私がIBM Watson 日本語版の良さを世の中に広めていくのはもちろん、社内でもどんどん活用して社員1人ひとりがその良さをお客さまに伝えていけたらと考えています。
「SoftBank World 2016」2日目の講演内容を振り返り、マイクロストラテジー、ナビタイムジャパン、グッドツリー、藤枝市といった各事例でのエピソードを紹介。中山が過去に行った講演でのつながりや、SNSでの呼びかけに応じた事例が中心であり、エヴァンジェリストとしての顔の広さが伺えた。また、取材の際、中山はIBM Watson 日本語版を絡め、事例で取り上げるソリューションをさらに進化させるための提案も行っているという。そして最後に取り上げたソフトバンクの事例では、社員をサポートする人工知能システムのエピソードを紹介。「自分たちで使ってから、その良さをお客さまに伝える」という自社の考え方のもと、自身はもちろん社員1人ひとりがIBM Watson 日本語版の良さをお客さまに伝えていきたいという考えが語られた。

(取材日 2016.08.19)
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