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2016年、ソフトバンクグループはグローバルにテクノロジー分野へ出資することを目的に「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を立ち上げ、Arm社、NVIDIA社をはじめとする世界のトップテクノロジーカンパニーに出資してきた。ソフトバンクグループの法人向けイベント「SoftBank World 2018」の基調講演で、「AIはすべての産業を再定義する。これからはAI群戦略だ」と語った孫正義。ソフトバンクグループの出資企業の先には、AIとそれを最大限に活用するための周辺技術、そしてテクノロジーによって実現するソフトバンクグループが描く未来が見え隠れする。

本記事では、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の出資企業や合弁会社の講演から、ソフトバンクグループがもたらす情報革命の未来絵図を見ていきたい。その序章として冒頭ではインターネットの父と言われる村井純氏が語った5G後の社会について紹介する。

そのほかのSoftBank World 2018レポート記事はこちら
【講演動画公開】孫正義が語るソフトバンクグループの「AI×群戦略」
情報革命はどのように起こる? 5G、IoT、AI、それぞれの今
ソフトバンク・ビジョン・ファンド出資企業から今話題の企業まで
慶應義塾大学
環境情報学部教授
大学院政策・メディア研究科委員長
村井純 氏
インターネットは有線(ワイアード)のネットワークとしてスタートしました。当時は無線(アンワイアード)がここまでインターネットのインフラとして貢献するとは予想していませんでした。3Gから4Gへと進化する中で「アンワイアード」という言葉が生まれたのですが、コンピュータが有線から完全に解き放たれるというのは、ものすごいインパクトがありました。そして今、5Gによってすべてのモノがインターネットにつながるアンワイアードの世界が実際に訪れようとしています。
5G時代になると無線を通じてデータがどんどんと集まってきます。これは5Gのアドバンテージですが、集まったデータをビッグデータとして、あるいはAIのラーニングデータとして使うのは非常に難しい。基盤として、データが流通し始めたときの量に耐えられるか、インフラがあるか、計算できる体制があるか、社会的に許容される範囲で利用できる体制にあるのかを考えなければいけません。
すでにインターネットはすべての人が利用する段階であり、すべてのモノがインターネットとつながることを前提に考える必要があります。5Gの登場によって大量のデータが溢れる社会が来た時、そこで何ができるのかという大きな期待がある一方で、倫理的な使い方を考えていくことがすべてのレイヤーの人の使命なのです。
5GとIoTによって訪れるあらゆるモノがつながる社会。
そんなソフトバンクグループの情報革命の一端を担う「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の企業や合弁会社の取り組みを次から紹介していく。

5G enhancement with NVIDIA

NVIDIA Corporation
AI and Accelerated Computing - Telecoms Industry
Soma Velayutham
4Gの通信は私たちの生活を大いに変えました。モバイルブロードバンドが生まれたことにより、多くの業界が発展したのです。YouTubeもUberもモバイルブロードバンドの恩恵を受けるサービスです。
では5Gはどうでしょうか。メディカルスキャナーや、石油掘削、スマートシティ、コネクティッドカー、ロボティクス。5Gは産業を、そしてビジネスのあり方そのものを変えます。これまで1日あたり1GBだったiPhone のデータトラフィックが、産業界では300GB発生します。300倍と言われる指数関数的なデータの増大に対して、テレコム業界は対応していかなくてはなりません。
そこで今、GPUが存在感を増しています。CPUによるコンピューティングパワーの成長に陰りが見える中で、GPUは2025年までに1,000倍の向上が予想されているのです。
NVIDIAが提供するGPUコンピューティングプラットフォームはチップの提供に留まらず、最適化されたコンピューティングによるオペレーションを提供するものです。アーキテクチャ、ソフトウェアエンジン、そして業界別のテクノロジースタック、アプリケーション。さまざまな顧客の開発ニーズと、業界や用途によって、細かな対応が可能です。
私たちが提供しているテクノロジースタックにはビッグデータアナリティクス、メディア&エンターテイメント、AR・VR、エッジクラウドなどがあり、それらすべてに関連するものとしてAI用のスタックが存在します。それらを支えるのが5GとNFVによる仮想化されたインフラです。

ソフトバンクとNVIDIAは協力し、テレコム業界を次のステージへ牽引しようとしています。GPUによってネットワークの効率性を加速させ、AIによってネットワークの運用を行い、そこで新しいサービスを提供する。さらなる革新が今、起きようとしています。

5G enhancement with NVIDIA(後半)

ソフトバンク株式会社
先端技術開発本部 本部長
湧川 隆次
ソフトバンクでは、サービスをデリバリーするネットワークとして5Gを位置付けています。5G回線を利用したサービス開発ができるよう、「5G×IoT Studio」お台場ラボという実証実験の場を作りました。そのネットワーク構成は、5G端末と基地局の裏に5Gのコアがあり、コンピューティングリソースが存在します。そこにNVIDIAのGPUが使われているのです。コンテナ型仮想化にマシンラーニングや解析に使用するGPUを、ハイパバイザ型仮想化にグリッドというNVIDIAのソフトウェアを使用するGPUを、ベアメタルに描画や映像に使用するGPUをそれぞれ用意しています。
ではなぜエッジにNVIDIAのGPUを置くのか。5Gになるとどうしてもデータ量が増大し、端末側で処理をするためにはハイスペックなハードウェアが必要ですが、消費電力など技術的なハードルがあります。そこでエッジにコンピューティングリソースを置き、一度処理をしてからサーバにデータを送ったり、必要なデータのみをストレージに送っています。エッジにコンピューティングリソースを置くことができるのはキャリアだけです。キャリアのミッションとして、5Gの性能を最大限に生かせるインフラストラクチャーの構築を目指しています。

小売業界に変革を 〜アリババクラウドの最新テクノロジーが描く『ニューリテール』戦略〜

SBクラウド 株式会社
社長室 室長
アリババクラウド ジャパンゼネラルマネージャー
Unique Song 氏
2016年10月、アリババ 株式会社のジャック・マーは「オンライン、オフライン、物流の融合はニューリテール時代の基盤だ」と語りました。ニューリテールとはアリババが掲げる「消費者体験を中心としたデータドリブンなリテールモデル」のことです。テクノロジーによってビジネスモデルを再構築し、消費者体験の向上と企業運営の最適化を図ろうとする考え方です。

中国ではすでにさまざまなニューリテール現象が登場しています。例えば、「タオバオ」のブランド体験ストアでは、入店時にQRコードで認証し、商品を選んでゲートを通過すると自動で決済される仕組みが導入されています。同様の仕組みを持った無人カフェやコンビニなども登場しています。さらに、膨大なデータから顧客のニーズを把握し、販売予測を立て、在庫や配送経路の最適化などを図ることも可能です。
アリババクラウドのミッションは、テクノロジードリブンのニューリテールビジネス革命を起こすことです。ここで重要なのが、私たちはデータ活用をサポートするために顧客がどこにいるかは提供しますが、顧客が誰かは提供しないということ。私たちは、データは顧客の資産であるという方針を発表しています。ニューリテールにおいては、ビジネスのデジタル化とデータの利活用というハブポイントがあります。これによって、企業と消費者がよい関係になることを実現していきます。

アリババクラウドが描く小売・製造業の未来
〜最先端のAI/ビッグデータソリューションを日本へ〜

(画像左)
SBクラウド 株式会社
代表取締役 兼 CEO
内山 敏 氏


(画像右)
Alibaba Cloud
Senior Solution Architect
Chen CHEN
アリババクラウドはグループ企業のさまざまなデジタルメディア、小売業、ローカルサービスのデータテクノロジーを用いて支援しています。「独身の日」の売上高は1日で2.9兆円。ピーク時には1秒間に32.5万件のオーダーを処理しました。さらに、アリババグループでは現在200を超えるプロダクトを提供しています。こうしたサービスを支えるのが、アリババが持つビッグデータです。アリババの成長はデータ量とともに推移していると言えます。

日本においてもアリババククラウドの革新的な仕組みを使って、ビッグデータやAI、産業改革といった分野で価値あるソリューションを提供しています。例えば、ビックデータの画像認証を活用することで、来店者に適したタイムリーな情報提供や、きめ細やかなマーケティングを実現。製造業では、データが点在して活用できないという課題を解決するため、情報の統合と可視化によって高度な分析を可能にしました。
今後、コンピューティングやビッグデータ、AIといった分野のプロダクトを日本でもリリースします。最先端のAI、ビッグデータのソリューションを日本でもぜひ活用してもらえればと思います。

働き方が変わる! コラボレーションハブ『Slack』概要 〜最新のお客さま導入事例と共に〜

Slack Japan 株式会社
代表
佐々木 聖治 氏
総務省の「ICTのインクルージョンの実現に関する調査研究2018」によれば、「社内SNSの利用状況」がアメリカでは約35%だったのに対し、日本は約7%と大幅に遅れているという結果が出ました。さらに、最近はコミュニケーションツールが多様化、複雑化しているせいで、非効率な伝言ゲームが発生し、働きにくさや生産性の低下につながっているケースも多くあります。

Slackはビジネスコミュニケーションハブとして、コミュニケーションの円滑化、業務効率化、組織力の強化を図り、働き方改革の促進をサポートしていくサービスです。今年でSlackができて4年。2017年には日本版が登場し、2018年5月時点で1日のアクティブユーザー数は50万人以上に達しました。Slackを全社で導入しているグローバル企業も増えており、6割以上が非テック事業です。
Slackのメリットは、1,500以上のアプリと連携することができること、AIを使ったマッチングによって検索性が高いことなどが挙げられます。最近の大規模な導入事例にYahoo!JAPANさんのケースがあります。Slackの導入によって「社内のコミュニケーションが活発になり、場所と時間の制約を受けない働き方が実現できるようになった」とのこと。
20年以上続いたメール文化を置き換える存在として、Slackはみなさんのビジネスライフをよりシンプルに、より快適に、より有意義にしていきます。

テクノロジーとコミュニティが可能にする新たな働き方

WeWork Japan 合同会社
日本ゼネラルマネージャー
髙橋 正巳 氏
WeWorkは現在22カ国、77都市でコミュニティ型ワークスペースを提供しています。ニューヨークには約50拠点あり、ニューヨークで起業する人の5人に1人がWeWorkを活用しています。WeWorkの根本にあるのは、企業やそこで働く人々が出会い、つながり、新たなものを生み出す環境を提供すること。クリエイティブなワークスペース、コミュニティ・エンゲージメント、グローバルネットワーク、そしてオフィスに必要な機能をオールインクルーシブで提供することで、新しい時代の働き方を実現しています。

ソフトバンクをはじめ、日本の企業でも利用が増加しており、部署単位での利用もあります。同じスペースにさまざまな業界の人がいる環境なので、自社の中にいるだけでは得られない刺激やインプットが得られます。業界も業種も異なる人、違うアイデアを持つ人がつながり、そこから新しいイノベーションが生まれることもあるでしょう。
また、政府が進める働き方改革においても、WeWorkは一定の役割を果たせると考えています。残業時間などの制度面を整えることも必要ですが、それだけでは働き方は変わりません。人は環境が変われば振る舞いが変わります。WeWorkは創造的なワークスペースを提供することによって、働き方の未来を変えていきます。

最新の攻撃手法を知り、実戦向きのセキュリティを
〜攻撃者優位のサイバー戦場を逆転する真の戦術とは〜

サイバーリーズン・ジャパン
エバンジェリスト
増田 幸美 氏
サイバーリーズンはサイバーセキュリティ製品を提供する会社で、イスラエル軍の諜報部隊(8200部隊)でサイバーセキュリティに携わったメンバーらによって設立されました。日本ではソフトバンクとの合弁でサイバーリーズン・ジャパンを設立しています。

私たちは「どのような企業や組織であっても、狙われたら侵入は100%防ぐことはできない」と考えています。2017年は破壊型のサイバー攻撃が増えました。一度破壊されてしまうと、営業停止に陥ることもあり、損失は膨大です。増えるサイバー攻撃に対して企業はリスクを認識し、セキュリティ対策を取ることが求められます。アンチウイルスやファイアウォール、サンドボックスなどの従来の不正侵入対策では、侵入されてからの攻撃者の動きはわかりません。

サイバーリーズンは、侵入されてからも攻撃のあらゆる段階での脅威を具体的に検出し、対処します。AIを活用した高度な機械学習によって未知の脅威に対応するとともに、毎秒800万回のビッグデータ解析によってリアルタイムにサーバ攻撃の全体像を把握します。「攻撃は100%防げない」ことを前提に、侵入後の対策、監視まで含めたセキュリティ対策が必要なのです。
■後記
あらゆるものがIoTと5Gでつながる時、世界は、そしてビジネスはよりノンリニアに、複雑さを増していく。今回の「SoftBank World 2018」のイベント冒頭で、孫正義は半導体メーカーのArm社の買収を「オセロの四つ角の1つをとるようなもの」と表現した。業界の垣根が取り払われた時、ビジネスの覇権を握るのは、半導体メーカーかもしれないし、またはサイバーセキュリティ企業かもしれない。あらゆるものがつながった世界の複雑な局面を読み、未来につながる1手を打つ。それこそがソフトバンクグループの「群戦略」に他ならない。
 
SoftBank World
https://softbankworld.com/
 
■関連リンク
SoftBank World 2018 【講演動画公開】孫正義が語るソフトバンクグループの「AI×群戦略」
https://tm.softbank.jp/future_stride/topics/20180910/
情報革命はどのように起こる? 5G、IoT、AI、それぞれの今
https://tm.softbank.jp/future_stride/topics/20180910_1/
話題のコワーキングスペースから群戦略の企業まで
https://tm.softbank.jp/future_stride/topics/20180911/
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